貧困の中に生きる子供の権利を考える

前回の講義から1週間、今回は普段使用しているアジア文化会館から場所を変え、早稲田奉仕園キリスト教会館で講義が行われました。
今回の先生は、東洋大学教授のマリア・ロザリオ・ピケローバレスカス先生(以下、バレスカス先生)。フィリピン人のバレスカス先生は途上国の児童労働に関することが専門で、児童労働の現状を広く伝える活動や、改善に取り組む活動を行っています。

【プログラム】
・参加者紹介・・・塾生とリソースパーソンそれぞれの自己紹介
・塾生の発表・・・課題レポートを元に約10分のプレゼン
・リソースパーソンからのコメント・・・バレスカス先生による今回のテーマに沿ったプレゼン
(休憩10分)
・全体討論・・・約1.5H、それぞれのレポートへの意見

※ちなみに今回のプログラムは全編英語です。
英語で講義を聞くことやプレゼンをすることはモチロン大変でした・・・泣



世界の児童労働の現状

世界には1億6800万人、世界の9人に1人が児童労働をしていると言われています。その中でもアジアはアフリカよりもその割合が多く、約7700万人児童労働者がいます。
児童労働が起きるきっかけとして、家庭環境があげられます。親のいない子供は自分の生活を養うために働かなければならない。また両親がいても親が働けない事情や、親だけの収入では家族を養えない状況もあります。中には労働すらせず、町中で物乞いになるものや、盗みや非行に向かうものもいます。
児童労働の大きな問題として、”満足な教育を受けられない環境” “健康を害する危険” “不当な労働状況”が上げられます。


満足な教育を受けられない環境


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2011年にフィリピンに約半年滞在した際、ある山奥の村の小学校を訪れ、日本人の有志の方々で購入した教科書やペンなどの勉強道具を寄付しました。その日は始業式でしたが、家の手伝いで学校に行けない生徒が何人もいるという事実をその時知りました。
子供であっても家族の労働力と見なされている家庭では、普段は学校に通えても収穫の時は家計を優先して家族の手伝いをすることがあります。また毎日学校まで通うために1山2山越え、往復数時間かけて通う地理的に不利な子供もいます。
そうなると、日本では当たり前の”毎日学校を通うこと”ができなくなり、小学校を卒業するのですら何年もかかり、終いには辞めてしまう子供もいるのです。


健康を害する危険


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まだ身体が未発達な状態で、長い期間重労働をさせられることによる心身への負担が、子供の成長に悪影響を及ぼす原因ともなります。満足のいかない設備の中、換気の悪い工場や、毒性の強い物質を扱う職場など、病気になる可能性が高い劣悪な労働環境の中で働くことも、ケガなど外的要因もさることながら、体の内側の負担も計り知れないです。
また、肉体的な苦痛だけでなく、上司による厳しい指導や重労働からくるトラウマなど、精神的な苦痛も多いようです。


不当な労働状況


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不当な扱いで働くことは、働くということへの希望を失くす行為です。働いた分の報酬を搾取されることは子供だけでなく大人の社会にもある話しですが、大人よりも社会的地位が低く弱い立場であるため、意見を主張し改善するような力はなく、こうした不当な扱いをされることは子供であればなおさらあります。
仕事をした同等の対価をもらうことは子供とて当然の権利であり、厳しい労働をした上での搾取は生きる希望さえも奪ってしまいます。また、自分より上の権力者などに良いように利用されてしまい、人身売買や売春、戦争の加担など、犯罪に利用される事も少なくありません。


児童労働の解決策はあるのか?


soldier

昨今、先進国の企業や団体は途上国への進出をすることで安い労働を手に入れ、より多くの利益を手にしています。自分たちが不当に働かされているという事実がわからない場合や、法律をかいくぐり長時間労働を当たり前のように課すことなど、労働により人権侵害が生まれています。
結局のところ、児童労働や不当労働は、グローバル企業が潤うための手助けになっていると言えるのではないでしょうか。これでは格差が広がるばかりで、格差を是正するにはそれを生み出す要因となっている資本を持つものの意識を変えて行く必要があります。
児童労働を根本的に解決するには、社会構造を変えて行かなくてはならないため、よって国や資本家など多くの富を保有しているものが、弱者に対していかに手を差し伸べるかによるところが大きいです。そのためには、国家間を越えた国際NGOが現地での活動と並行して、国や資本家へのアドボカシーや、一般市民への広報・発信などの草の根活動を地道にすることが解決へ向かう糸口であります。




e-learning

一つ解決策として、E-learning があげられます。
今の時代、先進国ではパソコンやインターネットの普及に伴い、どこにいても勉強ができる環境が容易に得られます。PCを提供しDVDを使って教育格差をなくすことや、よりネット環境のインフラを整える事で、地理的に学校に通うことの難しい子供や、身体にハンディのある人、家の仕事をどうしてもしなければならない子供など、学校に毎日通わなくてもそれぞれの環境を考慮して、自宅や別の場所で勉強することができるようになります。
また国が与える基礎教育以外の教育素材しても期待できます。
インターネットの良い側面を言えば、グローバルな情報を容易に取得でき、広い世界を擬似的に体感できる力があります。グローバル化が進む中、子供の時に偏った教育だけでなく、より多くの価値に触れる機会をインターネット教育で体験し、教育の質を多角的に上げるべきだと思います。




Philcan

子供達の苦しみをできるだけ早い将来に終わらせるには、国家やコミュニティや国際NGOなどあらゆる人たちが、法や教育、社会的保護の強化などを加速させる必要があると切に思います。




次回、第5回目の講義は、の公益信託アジア・コミュニティ・トラスト チーフプログラムオフィサー鈴木真理氏による ”アジアの開発とマイクロファイナンスを考える” です。
※事情により3,4回目は欠席しました・・・。

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